株式会社電通デジタル
クライアントと社会・経済の「変革と成長」にコミットする総合デジタルファーム。生活者に寄り添うクリエイティビティと高度なテクノロジーを軸に「トランスフォーメーション」「テクノロジー」「クリエイティブ」「コミュニケーション」の4つのコアサービスを展開。さらにこれらに最先端の「生成AI」ソリューションを掛け合わせ、国内外のグローバル企業に統合的なサービスを提供している。
クリエイティビティとテクノロジーを活用した、デジタルマーケティングやDXによる企業の「成長と変革」を支援する電通デジタル。
日本屈指の総合デジタルファームとして内外のグローバル企業に統合的なサービスを提供する中、数々のプロジェクトでキャロルシステムをご指名いただいています。その選定ポイントとは、どのようなものなのか。
テクニカルディレクターとして主にWebシステムのバックエンド開発を担う井場涼介様に伺いました。
井場様 大手製薬会社の医療従事者向けサイトの案件です。2015年のリニューアルプロジェクトから関わっていただいており、私は2019年入社なので以降、様々な局面で助けていただきました。
井場様 医療従事者の方が閲覧するための情報提供サイトなのですが、MR(医薬情報担当者)の方が専用で使う機能を備えているところが特徴的です。医療従事者向けサイトにはさまざまなコンテンツが掲載されています。MRの方々は、その中から必要な情報を選んで、担当している医療従事者にメッセージをお届けします。MR一人に対して複数の医療従事者が紐づいて、その医療従事者ごとに、サイト上のコンテンツを送付するという運用です。
井場様 医療機関を訪問し、製薬会社の医薬品について医師や薬剤師などの医療従事者に情報を提供するとともに、医療現場から医薬品の有効性や安全性に関する情報を収集する役割を担っています。本来は、医療機関に足繁く通うなど負荷のかかる業務でした。それをWeb上で行えるようにすることでMR業務の効率化を図ったわけです。
井場様 医療業界は規制が非常に厳しい業界です。メッセージの中に入れてよい文言、入れてはいけない表現が細かく決まっている上、そもそも双方向コミュニケーションが簡単にできてしまうと、「接待」など薬機法で禁止されている行為につながりかねない。ですから、法律的な制約をきちんと満たしつつ、MRの方々がより良い情報を届けられる仕組みをつくる必要がありました。そのためにMR専用機能を設け、そこからメッセージを送るという設計になっています。法的なミスが起こらないように、システム側であらかじめ制約を組み込んでおくという考え方です。
井場様 大きく3つありました。まずHeartCore CMSの管理・運用、それからアプリケーション開発。そしてミドルウェアまわりの構築・運用や改修。この3つの領域で、業務支援をしていただきました。
井場様 「名寄せ」の取り組みですね。医療従事者のデータを扱う際、氏名の表記揺れや病院名の変更などによって、同一人物なのに別人として複数件登録されてしまうという問題がありました。クライアント側には医療従事者を管理する別システムがあり、そこの情報と会員情報を紐づけるのですが、複数の会員レコードが存在してしまうと、「どの会員に紐づけるべきか」を判断できない。その結果、バックエンドで会員情報を管理する担当者が、データの重複により、会員の正確なサイトの利用状況を把握しづらくなっていたのです。
井場様 このサイトの会員は誰でも登録できるわけではなく、一定のプロセスを経て会員登録が実施されます。そのプロセスが複数パターン存在することもあり、その違いによって複数の会員が生まれてしまうケースがありました。さらに医療従事者のリスト自体も別に存在していて、転勤などで病院が変わっても、その情報がきちんと更新されていないと、ここでも複数の会員情報が生まれてしまう。
井場様 まず「なぜシステム的に正しく紐づけできないのか」という根本原因の切り分けから、協力していただきました。Webサイトが、さまざまな情報を集約して、さらに基幹システムなど別のシステムへ情報を連携していくプロセスの中で、このサイトがどんな役割を担い、どの時点でどんなルールで紐づけをするべきか。現行ルールは2015年当時の業務実態を前提にしていたため、いまの実態と合っていない部分はないか。そのあたりを一緒に整理していただきました。データの問題だけでなく、ルールそのものを今の実態に合わせて見直し、そのうえで実装レベルにまで整理してもらえたのは非常に心強かったですね。
井場様 キャロルシステムさんとプロジェクトを進める時にいつも感じるのは「コミュニケーションの密度」です。システム開発では、些細に思える仕様の違いが、後に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。そこで手戻りが起きると、要件定義からやり直しになってしまうことも。キャロルさんは、その手戻りを極力なくすように、かなり密にコミュニケーションを取ってくださる。こちらから細かく指示をしなくても、「こういうケースではこういう問題が起きがちですよね」といった提案を前向きに出してくださる。本来ならこちらから「こうしてほしい」と細かく指示すべきケースも多いのですが、そこをかなり汲み取って柔軟にやっていただいています。
井場様 おっしゃる通りです。キャロルさんにサポートいただいているもう一つの案件で大手不動産企業のポータルサイトがあります。コンテンツ開発・作成チーム、フロントエンド開発チーム、バックエンドのシステム開発チームと複数のチームが混在する中、私はプロジェクトリーダーに近い立場でシステム全体を統括しています。リニューアルの際には、フロントエンドとバックエンドの間で観点の違いからどうしてもミスコミュニケーションが生じやすくなる。そんな時に、「何の情報が足りていないのか」「どの部分に追加の仕様が必要なのか」をきちんと整理してくれたのが、キャロルシステムさんでした。多様なステークホルダーのブリッジ役を担っていた私にとって、とてもありがたかったです。
井場様 はい。キャロルさんの強みを一言でいうと、「品質が安定していること」だと思います。一般的にどうしても不具合や仕様の齟齬による炎上案件が出てきてしまうのですが、キャロルさんとご一緒した案件で遅延などのトラブルは記憶にありません。もちろん、プロジェクトのスムーズな進行は我々の仕事でもありますが、「どこまでをこの日付までにやるか」「それ以降をどうフェーズ分けするか」といった切り分けを、一緒に現実的に考えてくださる。つい「できます、できます」と言ってしまい、最終的にプロジェクトが遅延してしまう、システム会社にありがちなことが一切ない。キャロルさんはそういう意味でとても誠実です。
井場様 弊社では扱うツール群がどんどん拡張していて、SaaSも含めてソリューションの選択肢は増えています。一方で、市場全体を見ると「SaaSはもう終わったのでは」といった発言も聞こえてきたり、オンプレからクラウドベース(IaaS)、そしてSaaSへと段階的に移行したものの、機密情報の観点からクローズドな環境へ回帰する動きもあったりと、一筋縄ではいかない状況です。生成AIの活用が進むなかで、機密性の高い情報を扱うために、SaaSのように完全にベンダー側で管理された環境ではなく、もう少しクローズドな環境でLLMやRAGを活用したいというニーズは確実に増えていくと思います。
そうした中で、オンプレ・クラウド・SaaSをケースバイケースで使い分けながら、業務に最適なアーキテクチャを一緒に考えてくれるパートナーが必要です。キャロルシステムさんは、もともとHeartCore CMS専業の会社というより、スクラッチでの業務システム開発も多く手がけてこられたと伺っていますし、AWSを扱う部隊もお持ちです。多様な領域でご支援いただけるとうれしいです。
大学卒業後2019年に株式会社電通デジタル入社。CMSを中心にしたウェブシステムのバックエンド開発を主に担当。ナショナルクライアントや内外のグローバル企業の案件に多数携わる。プロジェクトリーダーとして、多様なステークホルダーを束ねるブリッジ役を担うことも多い。
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